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八日目(番外編)?行き詰まり解決法

★8日目(番外編)―行き詰まり解決法

敢えて番外編としたこの行き詰まり解決法は、七日間の意識の旅を終え、新しい運命に向かって旅立つあなたへの、私からの贈り物です。

人間は必ず行き詰まります。成長しようとする人は、例外なく行き詰まります。それは挑戦しているからです。自らの可能性を広げようとしているからです。旅の過程で起こる様々な行き詰まり、それらに遭遇した時に、是非このエクササイズを行ってみてください。

■運命を変える鍵―過去の自分にアドバイスする

「未来の自分への手紙」は私の師松永修岳氏のふと洩らした一言「過去の自分にアドバイスすると、未来の自分からの今の自分へのアドバイスする声が聞こえるようになる」がキッカケとなって生まれました。しかし、その一言が私の中で結晶化し、2002 年10 月10 日に新しい技法として新生したのです。その経緯についてご紹介しましょう。

■失敗から何を学ぶか?

「財布が無い!!!」そう気づいたのは、私が主催するある研究会のミーティングを終え、帰ろうとしたまさにその時でした。上着の内ポケットにいれておいたはずの財布がないのです。

「こういう場合はたいてい、バッグの中に入れてある」そう思い、一応確認しようとして、バッグの中を探ると・・・そこにも無い!

だいたい私のバッグの中はぐちゃぐちゃなので、奥深くに財布は隠れている場合が多いのです。

さらに探してみます。しかし・・・、無い、無い、無い・・・!

「まさか・・・」私の脳裏に不安が走りました。参加していたメンバーにも伝えました。

それから約30分間、メンバー全員で部屋を探しまくりました。バッグはもちろんひっくり返し、部屋の中も、ありとあらゆるところを・・・。しかし、無い!!!!!!のです。

ショックでしたが、しかしもう午後十時を回っていて、これ以上悪あがきをするのはみんなにも申し訳なく「すまん、ありがとう、どうやら、無い。さあ、帰ろう」と私は彼らに告げました。

翌朝、なさけなさと様々な想念、悲しみ、悔恨等が渦巻く中、私は自分に問いかけました。

「いったいこの状況から何を学ぶべきだろうか。この状況の中で、感情の犠牲者にならない方法はあるだろうか?」

■行き詰まり解除法

私は、自分の中で処理できないで渦巻いている感情を見つめてみました。そして、「コンシャス・ラブ」(ヘンドリックス著、春秋社刊)という本に書いてある「行き詰まり解除法」というエクササイズを自分に試みてみました。

それは次のようなプロセスで成り立っています。

ステップ1 「行き詰まってしまった」と三回自分の内側でつぶやく。

ステップ2 その声がどこから聞こえてくる気がするか、味わってみる。

ステップ3 「その声が自分の知っている誰かの声と似ているような気がするかどうか」探ってみる。

ステップ4 「以前同じように行き詰まったことがあるかどうか」と自分に尋ねてみる。そして似たような状況があったら、その状況をできるだけリアルに思い出してみる。

ステップ5 「この行き詰まった状態が、自分に対して何を学ぶこと、気づくことを要求しているのだろうか」と自分に問い掛けてみる。

ステップ6 「今その事について相談に行くことで、本当に助けになってくれると自分が思える人は誰か」このように自分に問いかけ、そして浮かんだ人に実際に会いに行く。

本当にどうしようもなく行き詰まった時、私はこの「行き詰まり解除法」を使って何度も壁を乗り越えてきました。かなり有効な技法です。

今回は、私は自分の左上方から「行き詰まってしまった」という声が聞こえ、それは父の声と似ているような気がしました。そして以前行き詰まった、約一年前に財布を掏られて落ち込んでいた自分の状態を思い出しました。

■過去の行き詰まっている自分に手紙を書く

この時点で私は思いついたのです。

「あの時、今から約一年前の財布を掏られて落ち込んでいる自分に、手紙を書いてみよう!」と。

今の自分から、一年前の財布を掏られて落ち込んで、うつむいて、会社のオフィスのソファーに座っている自分。その姿を出来るだけリアルにイメージし、その時の自分の落ち込んでいる心情も感じて、その自分を意識する。そしてその自分に対してアドバイスを書く。

この行為は、恐ろしいまでに自分の運命という閉ざされた時空に亀裂を生む。そんな予感という名の衝撃波が私の身体に走りました。

これから重要な打ち合わせに行く、その途中の地下鉄のホームで、私はノートに以下の走り書きをしたためました。

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今から約一年前の、財布を掏られ、14万円以上をなくしたあなたへ

今あなたが会社で途方に暮れている姿が見えます。落ち込んでいるあなた。

でも私はそんなあなたを見ています。そしてあなたに、こう言いたいのです。伝えたいのです。

「今こそ、運命を変えるチャンスだ!」ということを。あなたは、お金を無くしたことで動転し、迷い、あせり、じたばたしていますね。でも、あなたがそうすることは、何の助けにもなりません。

ですから異なった対応が必要です。

私はあなたに提案します。まず、合掌してください。

あせらず、くやまず、根に持たず、そう、成仏するのです。その出来事に対して、その愚かさに対して、成仏するのです。

「イエス」と内側でつぶやきましょう。全てを肯定しましょう。そして内側でエネルギーの流れを感じたら、それと共にからだを揺らしてみましょう。そして、祝うのです。祝うことを

通して、あなたは彼方へと一切を踊り超えていくことでしょう。

LOVE 2002.10.9 飯田橋にて

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以上の文を書き終え、封筒に入れました。封筒には「財布をなくし、落ち込んでいるあなたへ」と書きました。

そして、少し経ってから、その封筒に入れた紙を取り出し、自分に向けて書かれた未来の自分からの手紙だと思って読んでみました。衝撃が走りました。時空がぐらぐらするような…。そして恐ろしいまでに、運命が変わる予感がしたのです。

その夜、私はじっくりと時間を取って、財布を無くしたことに対して処理できないでいる感情を味わいながら、もう一度手紙を読みました。そして手紙の指示通りにしてみました。すると、今までの自分の限界を超えて、より深く自分を見つめることができました。そして残っていた否定的な感情が変容し、消え去ってしまいました。まさに私はその「財布を無くした」という出来事を祝えたのです。

■諦めたら出てきた財布

否定的な感情が跡形も無く消え去った次の日の朝、突然私に取引先の会社の部長から電話がかかってきました。

「井上さん、財布を無くしませんでしたか?」そう彼は私に言うのです。

そう、私が財布を無くす前に訪問した会社の椅子で、その財布が見つかったのです。

実は、私は松永師に財布を無くした次の日に、財布のことを報告しました。すると彼は「うん、諦めたら、出てくるよ」と私に言いました。まさに松永師の言ったその通りのことが起きたのです。

■時空に革命を起こす技術誕生!

運命とは何か。それは私たちが無意識的にしているパターンにはまった「選択」によって形成されています。無意識の選択によって生じている固定化した人生。「見えない牢獄」ともいえる自らの無意識が生み出した人生の限界。これを私は「私たちは時空という牢獄に閉じ込められている」と表現しています。

しかし、異なる選択をすれば、その「時空」に裂け目を入れることができるのです。新しい時空へと、私たちは生まれることも可能なのです。

そして、この過去の自分への手紙こそ、確実に、自分に異なる選択をすることができるエネルギーを発生させる技法であることを、私は確信しました。

何か困ったこと、辛いこと、行き詰まったことにあなたが遭遇した時、是非この技法を使ってみてください。あなたの人生に地殻変動が必ずや起こることでしょう。

参考文献:

「60 分間企業ダントツ化プロジェクト」(神田昌典著・ダイヤモンド社刊)

「コンシャス・ラブ」(G. ヘンドリックス, C. ヘンドリックス著 春秋社刊)

「博愛の人」(ジョージ秋山著 小学館刊)

 

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