「ワンダフルライフ」?死に際して、何を選ぶのか?
●「ワンダフル・ライフ」~死に際して、何を選ぶのか?
ここに一本の日本映画があります。海外では高い評価を得た映画です。
その題名は「ワンダフル・ライフ」と言います。荒筋はこうです。
「霧の中から一群の人々が現れ、古ぼけた校舎のようなところに集まってきます。彼らは皆死んだ人々です。そして一人一人、その校舎に住む面接官の面接を受けます。
面接官は死者にこう語ります。
これからの一週間をここで過ごしてもらいます。
そしてはじめの三日間であなたは自分の全人生を振り返り、その中で最も素晴らしかった時、良かったと思える瞬間、或いは出来事を一つだけ選びます。
そしてあなたの記憶を頼りに、私たちが残りの四日間で準備をし、最終日にそれを再現します。
あなたがその再現した状態を見ながら、胸の中でまざまざとそれを鮮明に思い出せたとき、あなたはその思い出と共に永遠の世界に旅立つことができるわけです。
これは非常に象徴的な映画と言えるでしょう。
三日間で煮詰められていく人生。
そして多くの人は何気ない出来事を選びます。
その人が選んだたった一つの思い出は、この映画の中では、映画セットが作られるのと全く同じように、四日間かけて徐々に組み立てられていきます。
このセットが構築されていく様。これは、潜在意識の働いている様を具象化しています。
セットを造るために働いている人々はあなたの潜在意識そのものの比喩として捉えることもできます。
私たちの人生で起こる全ては、以前過去に私たちが意識的であれ、無意識であれ、思い描いたことが実現しているのに過ぎません。ただそれに気づいていないだけなのです。
そしてやがて旅立ちの日、七日目がやって来ます。
たった一つの願いを選んだ人々は皆、映写室に入っていきます。
そこで一人一人が、それぞれのかけがえのない思い出を見、味わいます。
映写が終わった後、その映写室には誰もいませんでした。
皆永遠の彼方に旅立っていったのです。
仏教的な表現を使えば、「成仏した」と言えるかもしれません。
この映画を見て、ある人はこんな感想を洩らしていました。
「自分だったらどんな瞬間や出来事を選ぶだろう」そう考えたら、様々な思いが溢れてきました。
この「ワンダフル・ライフ」で描かれた世界を疑似体験し、今までの人生の意味について深く味わうことを促すために、このエクササイズは作られました。
一日目、人生を変える試みの第一歩は、「死」から始まります。
死を避ける限り、生き生きとした人生はありえません。
全てのものは反対のものによって支えられています。
昼があるのは夜があるからであり、豊かさがあるのは貧しさがあるからです。
生の輪郭をはっきりとさせるためには、私たちは意識的に死と.向き合わなければならないのです。
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