マーケット(市場)とはマインドの延長である
●心に浮かんだことは全て実現する?!
さて、このマーケットの本質を衝くある短い物語があります。それを次に紹介しましょう。
昔、ある旅人が、旅の途中に森の中に迷い込みました。
旅人は知りませんが、実はその森は魔法の森でした。
その森には「思った事は、何でも現実のものになる」という魔法がかけられていました。
旅人は道に迷い、森の中をさ迷い疲れ、大きな木の下に腰を降ろしました。
そして旅人が「ああ、のどが渇いた。冷たい水が入った水筒がここにあればなー」そう思った瞬間に、目の前に冷たい水を満たした水筒が現れました。
「これはどうしたことか?誰かが置き忘れていったのか?」
そう思いながらも旅人はその水筒の水を飲み干しました。
さらに「あー、腹が減った!ここにご馳走があったらなー」そう思うとまたもや旅人の前にご馳走の山が現れます。
旅人は今度は怖くなりました。そして彼はこう思いました。
「きっとここは魔法の森で、化け物がいるに違いない」
すると、彼が思い浮かべた通りの化け物が目の前に現れました。
恐怖に打ち震えた旅人は「あー、これで俺も御陀仏だ。この化け物に俺は食われてしまう」と思いました。
するとその化け物は旅人を食い殺し、旅人はその生涯をその森で閉じる事となりました。
これは非常に象徴的な物語です。
この「森」とはマインド(人の心)のことを暗示しています。つまり、あなたの心の中で浮かんだ事は、遅かれ早かれ、どんなに時間はかかっても必ず実現するのです。
私たちは生まれながらの魔法使いです。ただこの旅人のように、その魔法の使い方を知りません。
それゆえほとんどの人が、マインドに振り回されて一生を終える悲しい人生を送ってしまうのです。ではこれを変えることはできるのでしょうか。
この問いかけに対して、一つ言える事は「マインドの構造と機能を克明に理解する事で、マインドに振り回されることが起こりにくくなる」ということです。
●マーケット(市場)とはマインドの延長である
ではどうしたらマインドの構造と機能をより深く理解できるでしょうか?
そのためのアプローチのひとつとして、似たものを探してみるのも有効です。
さて、ではマインドとマーケットには似た要素がないでしょうか?
マインドとマーケットはその機能において極めて似ています。両方とも人の思ったことを実現させる機能を持っているからです。
そうした機能を両方が持っている理由は、もともとマーケットはマインドの延長だからです。
コンピューターという存在の意味について以前私は以下のように考えたことがあります。
「コンピューターとは大脳の機能の延長である」「それゆえ大脳の機能を理解することで、コンピューターの本質が見えてくる」
それと同様のことが言えるのです。
「マーケットとはマインドの機能の延長である」
それゆえ「マインドの機能・動きを理解することで、マーケットの本質が見えてくる」のです。逆に、マーケットの動きを見つめる事で、心の有り様が、あるがままに、克明に浮かび上がってくる、とも言えるでしょう。
●お金や欲望を否定したらあなたの心は元気になれない
プライベートや仕事で親しく付き合っている人、或いはこれから深く付き合おうと思っている人がいるとしたら、その人の本性を見極めるためにとても役に立つ方法があります。
それは経済を間に入れる事です。そうすることで、その人の本質が良く見えるようになるのです。
お金や利益を関わらせると、その人の持っている良い部分も悪い部分も引き出されてしまいます。その人自身の正体があぶり出されるのです。
市場経済はそのスピードを早め、情報経済においては情報が世界中を駆け巡ります。森の中に迷い込んだ旅人のように、多くの人々がこれからますます、市場という、欲望が支配する森に迷い込んで、自分の思いによって身を滅ぼして行くでしょう。
しかし自らの心の様をしっかりと見詰めることができる人々にとっては、大いなる試金石であり、チャンスでもあります。
心理を捉える事ができない人間は、つまり自らの心の様を見詰めない人間は、決して発展することも成功することもできない時代が本格的に到来しようとしているのです。
マーケットこそ意識の力が試される場です。創造的に生きることを願っているのなら、市場から逃げてはいけません。貨幣から逃げてはいけません。互いに分かち合い助け合うことを避けてはなりません。
これらは全てとても重要なものなのです。マインドを活性化させる「欲望」を私たちに供給してくれる場、それが市場です。
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