「ちょっと無理かな?でもやってみたら面白そう」
●冒険と無謀とは違う
意味ある挑戦、これが五日目のエクササイズのテーマです。
ある種の危なっかしさが無ければ、それは挑戦とは呼べません。
しかしここで注意して欲しいのは、冒険と無謀とは違う、ということです。
昔、こんな言葉を友人への手紙の中で書いたことがあります。
生と死の狭間を、生きてみないか。
それは単に無謀なことをすることじゃない…。
自分を熱くさせてくれたり、狂おしくさせてくれるものに対して、ゆっくりと近づいていく。
そして自分の中に起こる内的気象状態をしっかりと味わい続ける。
無謀なことをするのは、安易な道です。
そこにどれだけの危険があるのか。
そして意味は…。
こうした問いかけをし続けて、煮詰めた末に、決意と覚悟と共にそれに向かっていく。その時、人は内側に心地良い緊張感が走っているのを発見するでしょう。
●緊張感と緊張とは違う
重要なのは緊張ではありません。緊張感です。緊張感とは、先ほど述べた「注意深さ」であり、くつろぎと同時に存在できるものです。緊張は萎縮であり、それはむしろ大脳の活動を萎縮させることで、かえって事故や失敗を呼び寄せてしまいます。
最近知ったのですが、鰯の活き魚宅配便というのができるようになったのはここ数年だそうです。鰯というのは魚偏に弱いと書いて鰯、まさに字の如く非常に弱い魚だそうで、水槽に入れて運んでも、全部注文したお客様のところに届くまでに死んでしまうのです。だから以前は鰯の活き魚を宅配で家に届けるのは無理でした。
ところがある人が、鰯の天敵の魚を水槽に一緒に入れてみたところ、鰯が死ななくなったのです。つまり鰯にとって、殺されるかもしれない、食われるかもしれない、という緊張感が、生存する力となったのです。数匹は攻撃されて死んでも、ほとんどは生き残るので、十分商売になるそうです。
これは人間においても、全く同じことが言えるでしょう。ぬるま湯に漬かっているような人生を送っている人は、ぽっくり逝ってしまうことが多いかもしれません。適度の緊張感があってこそ、人生に気づきや成長、そして勢いがついてくるのです。
●「ちょっと無理かな?でもやってみたら面白そう」
私は昔カウンセリングでよく、次のようなアドバイスをしていました。
「ちょっと無理かな?でもやってみたら面白そう」そう自分が思えることをするのが、人生を楽しむコツです。
「ちょっと無理かな?」そうあなたが思えることと言うのは、大概やってみたら意外とできてしまうことなのです。この場合、「ちょっと無理かな?」というのがミソです。「絶対無理だ。とても無理だ」ということを無理矢理自分に強いると、人は緊張してしまう、つまり萎縮してしまうのです。
そして重要なポイントは「面白そう」だと思えることであること。「面白い」という感覚がやってくるということは、意識の食欲が湧いているようなものです。面白いかどうか?面白くないことばかりやっていると、脳は萎縮します。面白ければ面白いほど、脳は活性化し、集中力が高まります。
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